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甦れ(1回)STAX ELS-8X コンデンサースピーカー [甦れSTAX ELS-8X コンデンサースピーカ]

甦った8X

■序
8Xふたたび
眼前にぱあっと広がるリアルな音場。
あそこで鳴ってる、こちらで歌う、そこにいる。
今まで経験したことがない明確な定位。
低音のさらに低域の、震える空気の粗密波が頬に触れ体を包む。
なによりも「そこで演(や)ってる感」がすばらしい。
修復成ったSTAX ELS-8Xから、思いも寄らない音響空間が出現した。

オーディオルームの8X(縮小)(ト済).jpg
<写真1:修復がほぼ終わったSTAX ELS-8Xを、オーディオ部屋に運んで試聴>
**8Xの後ろの黒い箱は、8Xがダメになっていた期間の代替機として使っていたALTECのMODEL 19。これはこれで大した器である。右端の真空管アンプは、当ブログの別テーマ『原器を目指した「最終アンプ」』の主人公**

ELS-8Xとは
かつて、日本のオーディオ業界が盛んであった時代、世界に類を見ない精緻な作りの、コンデンサースピーカーがあった。
STAX社のコンデンサースピーカー ELS-8Xである。
ELSすなわち「Electrostatic Loud Speaker」。
英国QUADなど海外では、この方式のものをESL「ElectroStatic Loudspeaker」と呼んでいる。
8Xは左右それぞれのスピーカーに8つの発音ユニットが付いているので「8」、そしてほぼ改良し尽くした最終・最高のモデルなので(これは勝手な推測)「X」。
スタックス工業株式会社のフラグシップ機であり、コンデンサー型の各種オーディオ製品に最後までこだわり続けた同社の誇りと象徴、ELS-8X。
思い切り人手をかけた「熱意」が伝わってくる作り。
音響の基盤となる物量投入の分厚い木製バッフルと、よき時代の「ものづくり日本」でしかできない精緻かつ堅牢な発音ユニット。
8Xはその無比・無上の再生音とともに、日本のオーディオ界の文化財的な「宝」に値するだろう。

この8Xをバラし、発音ユニットを分解し、洗いざらい調べ尽くした私は、「こんなものを作っていては事業は成り立たない」と呆れたものだ。
昔のスタックス工業株式会社が今もあって、世界第1級のELS(ESL)を作り続けてほしかった、という願望の裏返しである。
私の感覚では、当時、たとえ2倍の価格で同数の売り上げがあったとしても採算はおぼつかない。
それほど入念な作りである。
8Xの発音ユニットを分解した結果、海外のESLのそれと、大きな相違点があることに気が付いた。
ダイアフラム(振動膜)と固定電極とのギャップ(距離)、それと成極電圧(数千ボルトのバイアス電圧)との配分関係が大きく違うのである。
ギャップが狭い!。
この相違点には、なにかとても重要な意味があるに違いない。
なぜなら、8Xが選択した配分関係の発音ユニットを製造するには、大幅なコストアップが不可避だからである。
つまり必然的に精緻・精密な作りをせざるを得ない構造となる。
なにか特別にいいことがないかぎり、そのような選択をする筈はない。
推測であるが、8Xの発音ユニットの比類ない音質は、この相違点に一つの秘密があるのではないだろうか。

8Xはこのような素性の、今や誰も作れない(事業性がない)スピーカーである。
もし、今も健全で完動している8Xのオーナーがおられたら、いい環境の中で大切に大切に使い続けていただきたいと切にお願いしたい。
ちなみに私の8Xより数年古く、30年近く使われていた8Xでも、いい環境の中にあれば、まったく健全で音質の劣化も認められない状態を保つことが実証された。
そのことについては当ブログ内の別テーマ、「i氏山荘訪遊記(第2話)」で触れているので、よろしければ訪ねていただきたい。

この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット(縮小).jpg
<写真2:全域ユニットの固定電極のパンチングメタル。低域ユニットとも共通>
**この精緻な加工を見てほしい。孔の細かさ、開孔率の高さ、孔のエッジの丸め加工(裏・表とも)など、これを見ただけで8Xが内外ともに突き抜けた存在であることが分かる。高域ユニットのものはさらに細かい。

(写真3:拡大できます)
この見事な加工のパンチングメタルを見よ_全域ユニット(拡大用ト済).jpg**固定電極の表面電界は、均一で平らで滑らかであることが求められる。そのためには、パンチングメタルの孔を可能な限り小さくする必要がある。また、音が抵抗なく通るよう、開孔率はできるだけ高くしなければならない。それらを満たしてなおかつ、機械的強度や、振動対策を考えねばならない。これらのことから、パンチングメタルとその周辺構造は、ESL製品のクオリティーを知る上での重要なチェックポイントになる**

瀕死の8X
8Xが我が家に来たのは1987年であった。
それから10数年愛聴してきた8Xを、私は知らず知らずの間にダメにしていた。
周囲の環境に問題があった。
左右で都合16個ある発音ユニットの半数以上が、能率の低下で鳴らなくなった。
不調に気づいた時、すでに製造元のスタックス工業株式会社はなく、別の組織に様変わりして、8X修復の望みは完全に失われていた。
問題の箇所が発音ユニットにあることは見当がついた。
しかし8Xの発音ユニットは、もともと修理ができる構造ではない。
組み立てにネジなどは使われておらず、接着剤で完全に一体化され、分解できるようにはなっていない。
故障すればユニットをまるごとそっくり交換する。
その当時、荒技でも裏技でも、なんとか修復の手立てはないかと足掻いてみたが、結局どうにもならないことが、はっきりしただけであった。
それでも「いつの日にか」と、一種のライフワーク的な思いで納戸に押し込んだ。
瀕死の8Xは古シーツに包まれ、いつ覚めるともしれない眠りに就いたのである。

(拡大できます)
放電によりフィルムに空いた穴(拡大用ト済).jpg
<写真4:固定電極と振動膜との間で高圧がスパークして開いた穴。その周囲が損傷している>
**フォーカスが外れているが、ついでにパンチングメタルの加工のアップも見ていただきたい。高い電圧は尖った先に電界が集中して放電を引き起こす。だから打ち抜いた孔のバリなどはあってはならず、さらに角も丸く磨くかなければならない**

緊急決起ボタン
瀕死の8Xは納戸の隅で、10年近くの長い年月を過ごした。
ところが2013年の早春、「いつの日にか」は突然やってきた。
あるきっかけで、私の心の中の「緊急決起ボタン」が押されたのだ。
8Xは狭い納戸から明るい部屋に運ばれ、裏蓋を外された。
高圧プローブで電圧が測られ、2現象オシロスコープでオーディオ信号を観測され、試料として1つのユニットが取り外された。
高域発音ユニットの成極電圧1.8KV正常、全域および低域の成極電圧3.5KV正常。
発音ユニットへのオーディオ入力信号は、高域入力正常、全域入力正常、低域入力正常。
まず最初の行動は、不具合が確かに発音ユニットにあることの再確認だった。
それからが五里霧中、暗中模索。
蘇生へ向けての下準備を開始した。
インターネットに張り付いて「ElectroStatic Loudspeaker」、「Repair」などを検索キーワードに、内外の関連情報を収集する日々が続いた。
いろいろ試みて、やはり修理は不可能な場合、同形、同寸法の発音ユニットを自分で作ることも検討し、部材の見積もりも取った。
目の前に現物見本があるので、選択肢として「あり」だろう。
修復に必要な振動膜や導電コート材等の主要な材料は海外に求めた。
日本は優秀な材料を多種生産しているが、残念ながら個人が僅かばかりの量を入手することができない。

クーロン力
さて、基本中の基本であるが、コンデンサースピーカーの振動膜を駆動する力はクーロン力である。
電荷の+と-が引き合い、+と+、-と-が反発し合う電気の根元的な力である。
電極板の面積、間隙の距離、印加する成極電圧。
それらと、振動膜を駆動する力との関係は?(前出の話と関係する)
まずそのあたりの基本原理のお勉強から必要となった。
早稲田大学では古くから、研究室やクラブ活動などにおいて、コンデンサースピーカーの研究を伝統的に行っており、その論文を何本もインターネットで公開していた。
早稲田大学大学院平成15年度修士論文「スイッチングアンプ駆動コンデンサスピーカに関する研究」など、コンデンサースピーカーを語る上で極めて重要かつ貴重な情報が満載である。
なおこの論文は、初歩的な基本原理のお勉強から書き出しているので、興味のある方はぜひとも検索されたい。
ちなみに、薄いフィルムの平面を全面駆動するコンデンサースピーカーといえど、振動膜はピストン運動をしていない。
「コーン型スピーカーは分割振動するが、コンデンサースピーカーはピストン運動であるため平面波が出る」、というのは誤りである。
レーザーでドップラー効果を利用したスキャニング振動計を使って、各種のモデルを実測した写真を見ることができる。

そして春も浅くまだ寒い日が続く頃から、初夏の暑さが感じられる頃まで、なにかに憑かれたようにがんばった。
その結果、驚くことが起こった。

甦った8X
瀕死の白鳥が奇跡的に甦った。
軽くしなやかな新しい羽にはえかわり、大空に舞い上がったような感動。
このようなことが自分の手で、これほどうまくいくとは思ってもいなかった。
発音ユニットの振動膜を、極薄・極軽、元の半分の厚みの3ミクロン・ポリエステルフルムで張り替えることに成功した。
その結果が冒頭の音響空間の出現である。
なんという幸運か。
優れた基本設計と入念な工作、長年にわたる改良の積み重ねにより到達した、STAXの頂点であり最終モデルであった8X。
それを一人のSTAXファンのアマチュアが、なんの裏付けもないまま「3ミクロンの修復」を試み、一発で成功してしまった。
世の中全般、普通はそれほど甘くはないので、多分、コンデンサースピーカーのダイアフラムには、「けっこういいかげん」なところがあるに違いない。
振動膜の張力や、導電コートの電気伝導に関する各種パラメータの値(つまり導電コート剤の種類やその塗布のしかた)などには、ある程度の許容範囲があるように思える。
薄いフィルムの張力を測る計器も、導電コーティングの非常に高い抵抗を測るメグオーム計や絶縁抵抗計もなく(普通のテスターでは測定不可能)、すべて素人の手作業による「勘」を頼りにフィルムを張り、導電剤を塗布している。
もちろん失敗してやり直したユニットもあったが、うまくいったユニットは、それぞれのユニット間の音の違いは聞き分けられない。
だからたぶん、限定された誤差範囲内で、ある程度の「ファジーさ」があるのだろう。
甦った音響は、8Xの新たな頂が、まだ先に聳えている可能性を示唆しているように思える。
スタックス工業株式会社が今にあれば、きっとさらなる高峰に到達しているに違いない。

外枠ヘフィルムを張る手順の最初の工程(縮小)(ト済).jpg
<写真5:発音ユニットの振動膜を張る手順の最初の工程>
**まず、発音ユニットより大きなフレームに、3ミクロン厚のポリエステルフルムを、破断一二歩手前ほどの強い張力で張り締めていく。この作業が終わった後、おもて面に導電コーティングを施す**


高域ユニットのフィルムを2つを同時に張る(縮小)(ト済).jpg
<写真6:発音ユニットの外枠に導電コーティング済のフィルムを接着する作業>
**いくつかのユニットの張り替えに成功していたので、調子に乗って高域ユニットを2つ並べて同時に作業してみた。これもうまくいった。接着剤が乾いたら、周囲のフィルムを切り落とせば振動膜を張る作業は終了**


この「甦れSTAX ELS-8X」では、8X修復の顛末を中心に、それらにまつわる話などを綴ろうと思います。
更新は不定期です。
記事がまとまり次第、アップしていくつもりです。
なお当ブログ内の別テーマ、「i氏山荘訪遊記(第2話)」で、この8Xとi氏のスピーカーシステムとの関連についての記事が少しあります。
そちらもお訪ねください。

厳重注意!
コンデンサースピーカーの修理は、生命の危険が伴います。
8Xでは4000V(4KV)、他の機種では6000Vを超えるものもあり、通電中の内部にはそのような電圧が「そこら中に」かかっています。
電流は微小ですが、触れた場合の電撃ショックは大きく、どのような結果を引き起こすか分かりません。
また電源を切っても、数日間は完全に放電しきらない場合もあります。
身の安全を守るため、家電製品の注意書きにある「サービスマン以外は裏ぶたを開けたり、分解したりしないでください」、のお約束をよろしくお願いいたします。

(第1話 おわり)
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コメント 7

CTRL

ELS-8X修理関連のブログを興味深く読ませていただきました。
数少ない貴重な資料を読んでいる様な気持ちになりました。ありがとうございました。
僕は中学生の頃、近所のおじさんが使っていた、ELS-8X(4Xだったかもしれません)を
聞かせてもらい緻密で繊細、雰囲気のある音に感心したのを今でも覚えています。
個人的にはONKYOの音が好きで、たどり着いたのはGS-1でしたが、と、話が脱線しました。

書き込みさせていただいたのは、「甦れ(1回)STAX ELS-8X」「クーロン力」のセクションに
でてくる早稲田大学の修士論文を見てみたいと思い、大学のトップページにあるFacilities
図書館・博物館から検索してみたのですが、たどり着くことができませんでした。
ブログ中にある「スイッチングアンプ駆動コンデンサスピーカに関する研究」は読んで
みたいと思っています。
検索スペルなど何かヒントがあれば、教えてください。
お手数おかけしますが、よろしくお願い致します。

追伸:6回以降に掲載されるだろう、「振動膜への導電剤の塗布」は気になるところです。
by CTRL (2014-11-24 13:01) 

gkrsnama

当時のヘッドホンはいくつも持ってまして、35年たってもきちんと動作します。「日本刀の切れ味」。下手に装着すると電極と振動板が当たってバチッといいますが、電圧が230Vと低いんでどうってことはない。スピーカは大変なんですね。クオードも湿気にやられると聞いたことがあります。

現STAXの技術部長の鈴木さんは当時からの人じゃないかしら?アドバイスが聞けるかも。社長の目黒さんが、いずれスピーカも作りたいといっていました。今はヘッドホンがバカ売れみたいですけど。当時の社員のお話を聞いたことがあります。コスト意識が全く欠けた会社だったようですね。

振動板のギャップ幅とバイアス電流についてですが、SR-λProを開発した時に大きく変更しています。「ギャップを倍、バイアス電流を2.5倍に」。結果、オリジナルのSR-λと比べ低音が豊かになって全域歪が減りました。


by gkrsnama (2016-02-15 23:29) 

N.Yasuda

STAX社は小生が高校生の時から知っています。もう50年以上になります。当時は学生ですから何十万円もするELSを買うことは夢にも思いませんでした。
ヘッドホンを買おうかと思いましたが、閉塞感は音楽視聴と無縁の物なのでONKYOのフルレンジFR-16とパイオニアのPW-30Aウーハーを選択しました。高音はTECHNICSのEAS-17だったかな。 
アンプはONKYOのINTEGRA
でも、再生の源は繊細さが命なので、SATINのM-15カートリッジをSTAXの一点支持アームに取り付けてMICROのMB-800ターンテーブルにレコードを掛けて聴きました。
ガラス板ののぞき窓以外24mmの厚板で遮音したケースを造り、内部に、スプリングで厚板ボード本体を吊ったインシュレーターで振動を遮断しました。
コンデンサカートリッジを付けるために基本設計されたSTAXの精密好感度なアームは針圧0.5gでもレコードを再生しました。ハウリングを避けるため針圧は1gで使用しましたがこんな高感度のアームは未だに他には有りません。
一度雑司ケ谷の本社に訪ねて音を視聴しましたが、しっとりとした洋館で暖かかったストーブと定位のはっきりした澄んだ綺麗な音が印象的でした。
by N.Yasuda (2017-05-10 21:05) 

山田典山

現在STAXのESS4A、6Aの修理をしておりますが、この記事が非常に参考になりました。基本的に電源部は同じ回路、固定電極は、はしご状とパンチングメタルの差はあるようですが。貴重な資料開示に感謝します。電源部は修理が終わりました。しかし、振動膜の張り替え、導電材料の入手で作業が止まっております。海外からの入手経路もあるようですが、差し支えなければ、ポリエチレンシート、導電材料に関わる情報をお教えいただくことは可能でしょうか。
by 山田典山 (2017-11-22 21:14) 

村瀬康治

山田様
私のブログをご訪問、ありがとうございます。
実は当ブログは、もう3年以上も更新せずに休眠していましたが、やっと来年早々から復帰の目途が立ちそうです。
私が振動膜を張り替えて修復したSTAXのESL-8Xも、息子のオリジナル完動品の8Xも、4年を経過する今日まで不具合や劣化の兆候もなく、健全な状態を保っています。
STAXの大型コンデンサースピーカーの音は、拙宅に来られた音楽ファンやオーディオファンが一様に感動するとともに、「コンデンサースピーカー」に対する先入観を根底から覆す魅力があるようです。
「線が細い繊細な音」と思っていたのに、「こんなに大きな音が出るのか」、「こんなに低い低音が出るのか」、「こんなに激しいアタック音が出るのか」と、本当に驚かれます。ぜひとも、具合よく修復されることを願っています。
山田様の「Staxコンデンサースピーカー再生作戦」、興味深く拝読いたしました。ESS4、とても魅力的ですね!
実は上記の音楽ファンの中に、山田様と同じSTAXの6A(状態不調)をお持ちの方がおられ、かれこれ3年来その修復の機会を待っておいででした。来年からは、その時間がとれそうだ、ということになり、そのことに触発され、私もコンデンサースピーカーに関して、もうひと頑張りせねば、と思い始めたところでした。
8Xの基本構造をお手本にした「製作再現性(国内での容易な材料入手と製作)」のある、最高クラスの音質の大型コンデンサースピーカーを作ろう」という夢です。発音ユニットの基本設計はほぼ終わり、その心臓部であるパンチングメタルは、一般に入手可能な最適品をパンチングメタル製造会社からget済みです。試作してみて、成功の目途が立てば、当ブログの続編でも起こして公開したいと思っています。

ご質問のポリエステルフィルムを入手されたとしても、問題はそれだけでなく、振動膜に塗布する導電剤、塩ビとベークライト、塩ビとポリエステルフィルムとの接着剤の選定もかなりの難問です。参考の一つとして、下記のURLの「ER Audio」が、フィルムや導電剤、接着剤等の一式を取り扱っているようです。コンタクトされたらいかがでしょうか(私は取引したことはありません)。

http://www.eraudio.com.au/Components/components.html

「音が出る」だけの実験であれば話は別ですが、導電剤をスプレーで拭きかけて、極力薄く均一に塗布するなど至難の業と思えます。さらに、振動膜に塗布する適正な導電剤は、呼称は「導電剤」でも、「限りなく高抵抗の、むしろ非導電剤」と言った方がよいほどの「導電剤」なのです。この極めて重要なノウハウの部分を、逆に考えている方が多くおられるので注意が必要です。
 STAXの発音ユニットは、その設計も製作も、修理するなど微塵も考えられていません。それを強引に修復するには、私がやったような具合に、いろいろと工夫するしかないような気がします。
元のように2枚のパンチングメタルのフレームを、新しく張り直した振動膜を挟んで接着してしまうと、うまく鳴らなかった場合、接着剤が適性であれば再度の分離ができず、そのユニットはオシャカになると思われます。したがって当ブログのようにネジどめ法を採らざるを得ず、かなりの工作の苦労が伴います。
それから、山田様の6Aの発音ユニットを分解した際の「振動膜が貼り付けてあった透明の細長い板」は、当ブログにも書きましたが、硬質塩化ビニール(塩ビ)のはずです(8Xと同じであれば)。
山田様はフェースブック(FB)は使っておられますか? 使われているのであれば、FB上で「村瀬康治」を検索して「友達リクエスト」を送って頂ければ、FBのメッセージ、あるいは一般のeメールで、写真ともども情報交換ができるのでは、と思いますがいかがでしょうか。
by 村瀬康治 (2017-12-11 11:31) 

山田典山

村瀬様
お返事をいただいていたのに気付くのが遅れました。
丁寧な対応感謝します。
ここ最近SONYのSA-S1の分解修理でコンデンサースピーカーの基礎実験をしておりましたが、本題のSTAXの作業に戻そうとしていたところです。
FBは現在使っておりませんが、「eメールで、写真ともども情報交換ができるのでは」とのお言葉、心強いです。
https://ameblo.jp/yamadatenzan/entry-12272290971.html
このページに当方へのメールアドレスが記載されておりますが、8Xと6A、4Aは非常に共通点が多いようで藁にもすがる思いです。やっけみた方、成功された方でなければわからない事ばかりなので大変助かります。
by 山田典山 (2017-12-26 14:16) 

久保田

大変懐かしい記事ですね、試聴したいですが埼玉県で
by 久保田 (2018-12-15 09:40) 

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