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i氏山荘(4)755E、Golden8T新設、訪問雪解け待ち編 [i氏山荘オーディオ訪遊記]

前回、i氏山荘を訪ねたのは昨年の秋であった。
冬に向かう山は、季節の訪れが都会にくらべてかなり早い。
あたり一面に敷き詰められた枯葉が、そこ、ここ、と、落ちてくる団栗(どんぐり)をやさしく受け止める。
梢の高みには、そよぐ風があるのだろう。
その団栗の音がポツン、コソッ、カサッっと微かに聞こえ、遠くから啄木鳥(きつつき)のコンコンコンコンという連打が、残響を伴って落葉樹の林の中を響きわたる。
10月2日の山荘は、そのような風景であった。



豪雪
今年の冬は、全国の広い範囲で過去に記録が無いほどの豪雪となり、大きな被害が出た。
特に2月の大雪は、i氏山荘方面も地元の人が経験したことがない積雪となり、山荘付近の山あいでは2mに迫るほどであったという。
山荘に通じる山道は除雪もできず、人が踏み入ることが不可能となり、長期にわたり完全に遮断されていた。


屋根は、オーディオルームは、大丈夫か
お気の毒ではあるが、i氏はたぶん、2mの雪が屋根を押し潰し、2階のオーディオルームをペシャンコにしている悪夢を見たかもしれない。
私なら夢どころではなく、胃がおかしくなっていたと思う。
あの不思議なほどに、音場や響きの具合がいいオーディオ部屋を失うのは、いかにももったいない。
豪雪以来、私も気になっていたが、確認する方法がないという。


雪に埋もれた山荘へのアタック決行
心配していても始まらない。
3月後半の連休の前に、「何とか登れるかもしれない」、という情報を得て、i氏夫妻はついに山荘へのアタックを決行するに至った。
車高が高く悪路に強い4WDも出番はなく、数100m下のベースキャンプに置き、足元はアイゼン、いや「かんじき」で固めた出で(いで)立ちで、山腹を目指して登攀を開始した。


「かんじき」の効果は抜群
どこで調達したのか聞きそびれたが、わりあい小さな「かんじき」が、未踏の雪中を歩くのに、抜群の威力を発揮するらしい。
夫妻揃って「かんじき」の効能に、感激しきりであったという。


山荘は目立った被害なし
とのことで、そのときの写真を数枚いただいた。
この雪が融けて車で登れるようになるのは、いつ頃になるだろう。
この写真からも、日に日に力を増してきた太陽の光を感じる。
草も木も、あらゆるものがいっせいに芽吹き、山全体が萌黄色(もえぎいろ)に染まるのも間近だろう。


*雪山荘初アタックDSC_0214.jpg


<写真1:大雪もだいぶ融け、ようやく辿り着いた山荘の無事を確認>






あれれ! ビンテージもののスピーカーが付いている
いただいた写真から、i氏山荘の現時点のスピーカーシステムは写真2のようになっている。
ご無沙汰している間に、いろいろやっていたようである。
「i氏山荘(第3回)」からの変更個所は、中央寄り上部に取り付けられた新設の平面バッフル3連の20cmSPである(作りはバラックとのこと)。
また、両脇のウーハーが、以前のテスト用バラックの背面開放型から、きちんと作ったパイン集成材の平面バッフルに取り替えられている。


*14年3月時点SP 2014-03-23 10 21 36.jpg




<写真2:現時点のi氏山荘スピーカーシステムの様子>








新設の20cm3連の平面バッフルは「テスト用のバラック」であり、穴の細工も「いいかげん」ということです。
そのことでオーナーは、この写真をお見せするのをイヤがっていたことを、読者の方々にお伝えしておきたいと思います。 (^ ^;


新しく加わった20cmスピーカーは、上から順に、

CD408-8B Altec (同軸2Way)
New Golden 8T  Richard Allan (ダブルコーン)
755E Altec (パンケーキ型)

その下段は、前回の日記で紹介した竹集成材の平面バッフル16cmスピーカーであり、上から順に

P-610DB ダイヤトーン
DS-16F ダイドーボイス
・FE166 フォステックス

である。


ビンテージSPがこの場所でどのように鳴るか
新規参入のCD408-8B755Eは、本来、館内・構内におけるアナウンス放送が目的のスピーカーであり、人の声の明瞭度に重きを置いて設計されているはずである。
一方のNew Golden 8Tはオーディオ用のハイファイ目的のスピーカーである。
これらの実際の音の対比はとても興味がある。

さて、新規参入組のスピーカーは、いずれも古い時代のものであるが、i氏山荘のオーディオルームの平面バッフルから、i氏の耳に、そして私に、どのように響くのだろうか。
これはかなり面白い試聴になると思う。


昨年10月からのi氏山荘スピーカーシステムの変遷
参考までに「i氏山荘」(1)~(3)で紹介したスピーカーシステムの変遷を、写真でざっと追ってみたいと思う。


*SP変遷1_12-08-18 15 20 54.jpg*SP変遷2_image.jpg

                       <写真3:Ver.0 と Ver.1>
一番最初のVer.0では、平面バッフルとウーカーの音の放射面の距離が離れており、再生音も位相的に問題があると思われるため、Ver.1のように配置換えを行った。



*SP変遷3_PA142159.jpg*14年3月時点SP 2014-03-23 10 21 36.jpg
                      <写真4:Ver.2 と 現時点Ver.3>
Ver.1のウーハーBoxの天板が、音を反射して悪影響があるように思われ、大胆にもウーハーBoxを水平真半分に「ぶった切り」、両サイドに立てた。Ver.1の天板と底板が正面になる背面開放型の箱としてテスト的に使用。
写真右は先の写真2と同じ現時点の状態。



さてさて、改めてこれらの変遷写真を見ると、このステージ上の大勢のスピーカーたちを、どのように整理し、うまくまとめていくか、いろいろと「楽しみが多すぎる」状況になっている様子である。
さて何から、と言っても、まずは聴かなければ。

往年のRichard Allanやパンケーキが待っている。
古い時代の傑作スピーカーが、現代に、どんな音を響かせるか。
さあ、雪が融け、i氏山荘を訪問できる「山の春」はいつ訪れるのだろう。


(「i氏山荘(4)755E、Golden 8T新SP増設、雪解け訪遊予告編」 おわり)


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コメント 8

いちあい

I氏山荘無事で良かったです!
ガーデンテーブルが埋まっている写真には驚きました
この先どう進化されるのか目が離せませんね。
自分はビンテージと真逆の方向ですが(^^;;;

JOB255@エージング中
by いちあい (2014-03-29 11:48) 

AudioSpatial

いちあいさん、ご訪問ありがとうございます。i氏山荘の音を聴くと、SPユニットやアンプなどの個々の音の違い以前に、部屋そのものが勝手に作り出してくれる音響が、いい方向に作用しているように感じます。
アハハ、確かにRichard Allanとは真逆ですね。でも、超最新鋭JOB225(255?)で、けっこう曲者のRichard Allanを鳴らしてみたいですね。
by AudioSpatial (2014-03-29 17:42) 

I氏

実はつい最近、アシダボックスの8P-HF1という日本のビンテージSPを1本だけ手に入れました。自宅の簡易バッフルでの視聴ですが、とにかくやさしく澄んだ音にびっくりです。コーンSPに関しては、時代は進化ではなく退化してきたんだと思えます。こうご期待。
by I氏 (2014-03-30 13:01) 

AudioSpatial

I氏さん、ASHIDAVOXの20cmを入手されたとのこと。「とにかくやさしく澄んだ音」との感想は、「やはりそうか」、と思いました。あのユニットの第一の特徴は、コーン紙が軽いことですよね。その軽さの効能ですね。「ダイヤフラムは極力軽くあるべし」が、いいスピーカーの「お約束」だと思います。
いやいや、試聴の楽しみがさらに増えましたよ。
by AudioSpatial (2014-03-30 17:32) 

I氏

コーン紙は美濃紙で作られていて、質量は1.3gしかないそうです。
by I氏 (2014-03-30 20:30) 

AudioSpatial

I氏さん、美濃紙で1.3g。これも「やっぱり」ですね。軽いことは覚えていたのですが、美濃紙で1.3gは知りませんでした。SPのコーン用に、現地で特別に作らせたんでしょうね。そうなると、コーン紙の張替えは、おそらく絶望ですね。
ASHIDAVOXのヘッドフォンは、昔、現場で使ってたんですよ。今もそうかも、です。
by AudioSpatial (2014-03-30 22:18) 

I氏

1.3gは16cm(6P-HF1)のほうで、8P-HF1(20cm)は2.7gでした。それでもすごく軽いですが。
by I氏 (2014-04-01 05:52) 

AudioSpatial

往年の20cmSPで、「超軽量」と言われているコーンが5g程度。現代SPの軽量クラスが10g程度らしいので、ダントツに軽いですね。さて、その音は・・・期待が高まる。
by AudioSpatial (2014-04-01 12:57) 

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